ビートたけしがやっていたTV番組「たけしのコマ大数学科」からスピンアウトした書籍。
Eテレの「サイエンスZERO」でおなじみの竹内薫さんとの対談本である。
竹内薫さんはというと、「99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方」 で
有名な方だ(と私は勝手に思っている)が、
日常にあふれている様々な事が、実は科学では厳密に解明できておらず仮説に基づいて成立しているということを、いくつかの事例に基づいて書いていて、トリビア的な要素が知的好奇心をそそる。
そんなお二人が数学を通して、仕事や人生など(おおげさな言い方だが)の価値観に
影響を与えてきた事をつれづれなるままに語っている。
実際読んでみるとビートたけしって本当に数学が好きなんだなぁというのがひしひしと
伝わってくる。余暇のあるときに数学の本を買ってきて問題を解いてみたり、孫と一緒に算数の勉強をしたり、小学生向けの英語の算数の教科書で問題を解きつつ英語の勉強をしてみたりと、いくら理系の人たちといえど趣味で数学の問題を解くなんて相当なマニアでないかぎりやらないだろう。しかしそこに楽しさ・美しさを見い出しているビートたけし
を知りさらに人間的な魅力を感じた次第だ。
「問題を作るっていうのは、自分用の教科書を作るのと同じなんですよ。だから次に同じような問題が出ても解けちゃう。数学の問題集1冊に対して5冊くだい自分用のノートを作り、それを眺めたりしてるうちにどんどんキレイに問題が解けるようになってくるんですね。」
「問題があって答えを出すなんていう形式の問題はよくないね。逆に「答えから問題を考える」なんて方法があったっていい。どんな計算をしても答えが5というだけなら、カンニングしてもいいし、鉛筆転がしだって答えさえ合ってたら合格だ。それより、どうやって5という解答を導きだしたかという家庭が大切でおもしろいのにね」
これってビジネスの世界でも同じ「課題設定をどうするか」っていうことと同じじゃないか!と思った。ある程度の年齢になってくると与えられる立場から自分が仕事を与えたり、作る立場になる。
例えば売り上げを2倍にするという答え(結果)を作る(達成する)場合、それにたどり着くまでには結果に至るにあたっての問題(課題)とそれを解き明かす方法(プロセス)を正しく設定できなければならない。
まぁできれば売り上げも上がって会社の評価もあがるんだけど難しいんだよね。
でもこれもたけしが自分のノートを作るといっていたように思考の訓練が必要なのだ。
与えられているコト(問題)をこなす(解答する)だけで満足していないか?
自らが作り出すこと、すなわち課題を設定する事し問題を解決していくことを
怠っていないか?
I'll give it a shot.
今からでもやってみよう、と思う。
それにしても平成教育委員会は本当に面白い番組だったなぁ。
あんな知的なクイズ番組後にも先にもないと思う。
あの番組が自分が小学生の頃から存在していたらもっと勉強が好きになったのになぁ。
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